フナ・ギンブナ

上西郷川のフナ。尾びれの黒点は寄生虫。

フナは、日本でもっとも一般的な淡水魚の一つですが、その系統や生態は複雑怪奇で、謎の多い魚です。上西郷川に生息するのはいわゆる「ギンブナ」と思われます。ギンブナは体が銀色なこと、やや小さいこと、原則的にメスしかいないこと、などから区別されますが定義は曖昧です。メスしかいないため、コイなどの精子をトリガーとして単為生殖するという不思議な生態を持っています。

フナの仲間には、ギンブナの他に、オオキンブナ、キンブナ、ナガブナなどがいますが、その区別は形態からも遺伝子からも難しいとされています。

ギンブナとは異なるオオキンブナ(熊本県)。全体が金赤色で、頬に追い星があることからオスのオオキンブナであることがわかる。追い星:コイ科魚類のオスにおいて繁殖期に現れる白点

キンブナもしくはナガブナと思われる個体(山形県)

北海道のギンブナ、背びれが短く、九州のギンブナとは多少雰囲気が異なるようにみえる。